ルーブル美術館展に行って

妹からルーブル美術館展に行こうと誘われたので有給をとった。
美術館は平日に行くに限る。
できるだけすいている時にじっくり見たいから。(でもやっぱり混んでた)


予習として芸術新潮2023年3月号を読んだ。

特集ページは案外あっさり読めてしまう。
西洋絵画はキリスト教とのつながりが密接なのでミッションスクールに通ってよかった。
ギリシア神話・聖書などと強い結びつきのあるこの「西洋絵画」 のジャンルも私好み。
演劇も音楽も文学も神話も宗教も絵画も全部つながってるよね。
文化史っておもしろい。小説で表現できたらいいな。


予習としてもう1冊「マンガで教養 はじめての西洋絵画」も読んだ。

図書館で誰かが借りてたやつがたまたま返却台にあって手に取った。

大学生の頃に西洋美術の授業をとってたから懐かしかった!

美術史の歩みって文学史と似てるよね。

 

当日朝は早く起きてなんか二度寝できなかったから1時間ジャズ踊ってシャワー浴びてから六本木に向かった。

待ち合わせはマーサーブランチ。

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そしていよいよルーブル美術館展。

以前書いた小説の下調べでギリシア神話関係の本を何冊か読んでいたので「こんなに多くの絵画の主題になってたんだ!?」と面白く鑑賞できた。

ギリシア神話とか聖書を知らなくても解説を読めば音声ガイドを聞けばわかるものなのかな?

男子大学生(?)が「どの絵にも『愛』なくね?」って言いながら通り過ぎて行って、妹が「ああいう寒い奴が彼氏じゃなくてよかったわ」ってちょっとキレてたけど私は「ちょっと君、『愛』をどう定義して『この絵に愛はない』と判断したの?」と詳しく聞きたくなってしまったよね。

現代の男子大学生(?)が定義する「愛」って何?

めちゃくちゃ気になってしまった。

 

妹は「これが愛です!って絵より、そういう主張の強くない絵から愛を感じ取れるのが良い」とのことで、磔刑に処されたイエスが十字架から下されてる絵を1番気に入っていた。

確かに惹き込まれる。

解説ではイエスから人類への愛と書かれていたけれど、妹が言ってた「愛する人の死を悲しむ生きている人たちの愛が凄まじい」という評にも納得感あった。

十字架から降りてくるイエスの遺体を取り囲む人たちは死んだ人みたいな顔色をしてるんだよね。なるほど。

 

私はお見合いの絵画が1番好き。

解説には「男性は女性を見つめてるけど女性は恥ずかしがって下を向いている」みたいなことだけ書いてあったんだけど、この身なりの良い男性とお見合い中の女性を凄い顔して睨みつけてる召使いの女性(?)がいるんだよね。

その表情に気付いてびっくりしてる男性も背後に描かれててそれが1番面白かった。

妹が「良い縁談を妬んでいるのかすごい顔して睨んでるよね?それに気付いた背後の男性の『女の嫉妬怖ッ‼️』みたいな表情、物語性がすごい」って言うから2人でしばらく笑ってたんだけど周りは笑ってる人いなくて、気付いてるの私たちだけなのかなって思ったらなんか余計に面白かった。

あと女性の髪の質感とかベルベットの椅子の感じがすごくリアルだった。

 

どの絵画も目の輝きとか影の感じとか、本で見るよりずっと立体的だった。

絵って平面だと思ってた。

全然違ってびっくり。

 

そしてこれが撮影OKスペースのやつ。

天使はアモル(キューピッド)。

妹が「絶対アモーレ(愛)の語源ってアモルだよね」って言ってて、語源を気にする血って遺伝するのかな…と思った。

ギリシア神話、語源の宝庫だからその意味でも面白い。

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(混んでて斜めからしか撮れない…)

 

妹「絵画も音楽もそうだけど、芸術の世界のカリスマや天才は最初めちゃくちゃに批判されるじゃん。でも後に『あの人はすごかった』って言われるものだから文学も同じなんじゃない。無難に上手い作品を書くより新しい作品で突き抜けろ」
はい。