ネタバレ含む感想。
刀剣乱舞知らないし歌舞伎も初だけど行ってきた。
小説書くのに刀剣のこと結構調べたのと、剣舞の稽古に少し通ったのでプロの剣さばきを見たかった。
歌舞伎もそろそろ入門したいなと思ってた頃だし。
結論、めっちゃ面白かった。
歌舞伎でワイヤーアクションってあるんだ。
フォグをたいて細い光を多く使うから舞台に奥行きが出る。
琴も笛も琵琶もいい。
あんな力強い音出るものなんだ?
イヤホンガイドの解説もわかりやすくてよかった。
ジャパニーズミュージカルて感じ。
歌ありダンスありで物語筋も深みのあるエンタメ。
えっ、歌舞伎役者ってみんなあんなイケメンなの?
しかも親しみやすい感じだし想像と違った。
とてもよかった。
観る前に刀剣乱舞について調べた。
どうやらゲームらしい。
刀剣の付喪神(刀剣男士)をコレクションするゲーム。
プレイヤーは審神者(さにわ)として刀剣男士をつかい、歴史修正主義者と戦う。
過去を変えようとする悪役がいて、それを阻止するゲーム。
プレイヤーである審神者は刀剣男士を過去に送り、悪役と戦わせる。
たぶんそんな感じ。
違うかな?
この歌舞伎では観客を審神者に見立てる。
ええー、面白そう。
以下、内容。
歴史修正を阻止するため室町時代にタイムスリップすることになる。
彼にタイムスリップを命じるのは私たち観客(審神者)という演出。
まさかの参加型。面白い。
歴史修正主義者は永禄の変の歴史を変えようとしている。
つまり足利義輝(あしかがよしてる)を生かそうとしているらしい。
そのために義輝を暗殺した松永弾正を殺そうとしている。
宗近は暗殺事件を起こす弾正を守らなければならない。
そんな宗近を支える仲間の刀剣男士は5人。
小狐丸、同田貫正国、髭切・膝丸(兄弟)、小烏丸。
ところが宗近には何やら思うところがあるらしい。
実は名刀宗近、初めの所有者は義輝なのだ。
宗近にとってこの任務は、主人の暗殺を見守ること。
タイムスリップで主人に再会した宗近は主人に気に入られ「臣下になってくれないか」と頼まれる。
しかし受け入れるわけにはいかない。
それでも宗近は「見守りたい」と答えてしまう。
仲間の5人からは非難の目。
葛藤の生まれる設定が良い。
さて、歴史修正主義者とは別にもう一派悪役が現れる。
異界の翁と嫗だ。
2人は異界の魔物の力で若返り、義輝に近付いて邪悪な存在にしようと試みる。
「魔術で悪人となってしまった義輝を殺さなければならない」と宗近は弾正の息子に語る。
暗殺者は弾正であり、この歴史を修正しようとしている者がいて、未来を変えないために自分はタイムスリップしてきたのだと打ち明ける。
弾正の息子(松永久直)はこれを受け入れ、父に暗殺を頼むことを決める。
しかし父はとても忠義に厚い侍。
主人を斬ることができるだろうか…?
父を説得するにあたって久直は切腹をする。
息子の覚悟を知った弾正は義輝を暗殺しようと心に決めるのだった。
宗近は歴史修正の阻止のために払われる代償の大きさを思い知る。
義輝に最後の一撃をくわえることになるのは宗近だ。
義輝は宗近に討ち取られるのなら本望だという。
宗近と剣を交えながら、義輝は、宗近が自分の愛刀の化身であることに気付く。(もっと前からわかっていたのかもしれない)
義輝は宗近に愛情を伝えて息たえるのだった。
いや、刀剣乱舞も歌舞伎も知らないけど、最後の場面本当に泣きそうになった。
もしも刀に心があるのなら、やはり刀を愛する侍とは特別な絆を結んだろうという日本人独特の感性に働きかけてくる。
という感じでストーリーが充実してて面白かった。
歌舞伎の舞は初めて見たんだけど、なんかジャズダンスに似てるなって感じた部分があったのが自分でも意外だった。
先生が「身体での表現方法は多種多様だけど身体はひとつしかないからダンスには普遍性がある」みたいなこと言ってたの思い出して、そういうことか〜!と思った。
膝の角度とかは全然違うんだけど全体の形はバレエの二番ぽいなとか、これターン・アウトじゃん、みたいなのが歌舞伎で観られたのが面白かった。
剣舞の稽古を少し受けたからわかるけど、模造刀をあんなにしなやかに振れるなんてすごい。
とんぼ返り初めて見た。
刀で足払いとかそれをジャンプでかわすとかは稽古で実際にやったことがあったのでこういう場面で使うんだ〜!?って感動した。
同じことやってる!!
私がやっても(えっ?何これ?私滑稽じゃない?)って思いながらやってたけど、プロがやるとかっこいいな!!と思った。
歌舞伎役者「かっこいい」と思わずにはいられない。
普段の歌舞伎は年齢層高めなのか、若い女性の多い刀剣乱舞ファンから屋号を叫ばれて歌舞伎役者のみなさんがすごい嬉しそうだったのがよかった。
また行きたい。歌舞伎面白かったな。
歌舞伎役者のみなさん親しみやすくて面白かった。